マイキーとドクロ団の秘密 20
神殿ではドミニクがマイキー達を追いかけようとしていたがマギーが片手でそれを制した。
「まちなドミニク。いいさ。これで袋のネズミ慌てることはないだろう」
「ん、まあそれもそうだな」
ドミニクは立ち止まり一度深呼吸した。そして屈んでさっき噛まれた足をさすりながら言った。
「ふう。それにしてもあのネコ昼間に会ったヤツだろう。何でこんなとこまで追いかけてきてんだチクショウ」
「アタシだって知らないよきっとお人好しの猫なんだろう。それより団長は何処だい?アンタと一緒じゃあないのかい」
マギーは言いながら地下へ続く階段を覗き込んだ。
「ああ。団長は先にアジトへ戻っている筈だ。噴水広場で分かれた」
町のメイン通りの真ん中には噴水広場があり住人達の憩いの場となっている。
「そうかい、、ではアタシ達はぼちぼちこちらから追いかけようか。辿り着きゃあしないだろうが秘密を知られちゃ厄介だ」
マギーは目を細め遠くを見る様に階下を見つめた。
「そうだな。万が一ってこともある」
ドミニクは頷いた。
「ところで東の封鎖は上手くいったのかい?」
「ああ。作戦通り仲間がやっている。名簿にある住人は誘導して連れ去り無い者には林道の事故で通行止め。お帰り頂く」
「すんなりいくかね」
「もともと人通りなどほとんど無いからな。他の入り口も一応見張りを立てたがまあ誰も来ないだろ」
「ふむ。盤石だね。では行こうか」
二人は子供達を追いゆっくり階段を降りて行った。
「うう。怖いよーそれに少し寒くない?」
コリンはミイラの様に左右の手を胸の前でクロスし自らの二の腕をさすっていた。
マイキー達は階段を降り道なりに走っていたがしばらく経って振り返ると追ってくる気配がなかったので今は皆歩いていた。落ち着いて周りを見渡すとそこは床はもちろん壁や天井も石で固められており壁には数メートルおきにランプが設置されている。空気が止まっている様に静かで何処で水滴が落ちる音が地下道全体に響いていた。
「確かにヒンヤリするわね。少し汗もかいたし」
エミコは冷静を取り戻していた。自分の祖母がまさか自分を陥れるとは考えもしなかっただろうしショックを受けたであろう。しかしエミコは強く賢い女の子であった。気丈に振る舞うとというよりは起こっている事を受け入れ考え方をシフトチェンジしたようだ。
「そうだね。何処か休めそうな所を探そう」
マイキーは先程からのバタバタで皆疲れているので何処かで座り状況を整理したいと考えていた。ハッピーは警戒しながら一番前を歩いている。今もし前から他の誰かが来たら、そうあの時自分を眠らせた奴。最低でも三人は仲間がいる筈。あのドミニクとかいう大男は黒マントの片割れであろう。もっとたくさんいるのかもしれないし、、。今は考えても仕方ないが何故奴らは町の人を拐うのか。そしてこの地下道はいったい、、疑問は尽きなかったがあれこれ考えている内に広い空間に出た。