マイキーとドクロ団の秘密 24
部屋に響いた音を聞きコリンとエミコは慌てて立ち上がった。
「マイキーこれは、、!」
低いモーター音と共にギシギシと何か歪んだ様な音も聞こえて来る。
「あ、あれ!」
マイキーは上を見上げ指差して叫んだ。二人はそれを聞き一斉に上を見る。すると天井に吊るしてあったオブジェが徐々に下に降りてきていた。呆然とそれを眺めていた三人にがようやくその全貌を目にし口を開く。
「螺旋階段、、、」
その巻き貝のオブジェだと思っていた物はゆっくり中央の穴の中に入り込み、ここよりさらに地下へと降りる為の道を作り出した。そして一番下まで降り切るとカチッと音がして穴の底らしき所に灯りが一つ灯りモーター音が止んだ。今度は耳が痛くなる程の静寂が部屋を支配する。
「凄い、、」
三人は同じ言葉を同時に発した。そして部屋の中央へゆっくり集まっていった。黒く塗装された木製の螺旋階段が下へ伸びていて三人を下へ誘っている。底に灯った灯りでなんとか足元も見えそうだ。
「信じられない事が次々と起こるわね。私もう何が起きても驚かないわ」
エミコは半ば呆れたような表情をしている。
「本当に、、。でもいったい誰が何のためにこんな仕掛けを作ったんだろう、、」
マイキーは誰に言うでもなく呟いた。
「これ、、まだ下へいくの?ねえ行くの?」
コリンはマイキーとエミコを交互に見ながら言った。
「ここにいてもじきに捕まってしまう。行くしかないわ」
エミコはコリンに言いながら自分にも言い聞かせていた。
「はー。怖いよ。やだよ」
コリンは深い溜め息をつく。
「じゃあアンタだけここに残りなさいよ。そしてあのドミニクに追い回されたらいいわ」
「ド、、ドミ、嫌、、こわい、。いやだ!こわいよ!いやーーー!怖ーーーー!」
コリンが取り乱しはじめたのでエミコは「そいやぁ!」と掛け声を放ちコリンの頬を思い切りビンタした。それでもコリンが恐怖に取り憑かれ一人でうろたえるのでエミコは「そい。そいそいそいそいそいそいそいそいそいそい」と言いながらコリンの両頬を往復ビンタし続けた。
「そいそいそいそいそいそいそいそいそいそい
そいそいそいそいそいそいそいそいそいそい
そいそいそいそいそいそいそいそいそいそい
そぉいやぁー‼︎」
最後にパッチーンと乾いた音が広い部屋に反響した。そしてコリンは我に返った。
「はっ。そうだ、早く行かなきゃ。奴らが来る!」
マイキーはほのかに腫れたコリンの頬を見て自分は常に冷静でいようと心に誓った。