マイキーとドクロ団の秘密 4
「ただいまー」
コリンは元気よく扉を開けて中へ入った。普段この時間なら母親がキッチンから大きな声で応えてくれるのだが今はコリンの声が行ったっきり返ってこない。その代わりいつもはほとんどコリンに近寄らない飼い猫のハッピーが2階へ上がる階段の中腹辺りからニャとこちらを見ている。
「あれー僕んちにも居ないみたいだね。僕のお母さんも居ないし」
普段ならここでそんなに考える事もないのだが、わざわざエミコに呼びに行かせその本人が見当たらないので三人とも頭にはてなマークを浮かべていた。
「ニャ」
再びハッピーが鳴いた。
「どうしたんだろう。ハッピーが僕に向かって鳴くなんて珍しいな」
しかし、おおよーしよしよし頭でも撫でてやろうかとコリンが近づこうとすると一変してブシャーッッッ!と、凶悪な声で威嚇してきた。
コリンはビクッと肩をすぼめ無表情で何もなかったかの様に振り返り
「さ、次どうしようか」
と言った。するとまた三人の方に向かいニャと声を出す。
「ねえハッピー僕らに何か言いたそうだよ」
マイキーが言うや否やまたニャと鳴き階段を一段上がった。
「来いっていってるわ」
エミコが言う。
ハッピーはそれを聞き階段を跳ねる様に上がっていった。そして踊り場につくと一度振り返り何故か階段の縁を一度シャッと引っ掻いた。
二階にはコリンの部屋と両親の寝室それに、他国の大学に行くため出て行った姉の部屋があった。どうやらハッピーはコリンの部屋に入っていったらしい。ハッピーを追いかけ二階に着いた三人は少しドアの空いたコリンの部屋へ向かった。そしてコリンが先頭になりそっと中を覗くと、、、特に何もないいつもの部屋である。が、コリンの机の上でニャと鳴くハッピーの足元を見ると10センチ四方の白い紙が置いてある。コリンが何だろうと近づくと海賊旗にある様なドクロのマークが描かれてあった。
「うわぁ」
コリンは驚いて後ろにのけぞった。
マイキーが紙を持ち上げ裏を見たり折り曲げたりしてみるが何の変哲もないただの紙であった。
「何だろうこれ」
窓から差し込む光に紙を透かしながらマイキーは首を傾げる。エミコも覗き込むがやはり変わったところわ何もない。三人ともしばらく何も言わず立ち尽くしていた。
ただ静かに時が流れる。
そう。
とても。
とても静かに。